
1 背景 ~変わりゆく社会と墓参りの現状~
急速な少子高齢社会の進展、そして核家族化が進み、地方だけでなく都市部でも、これまでの価値観や方法では対応できない様々な問題が増えています。
特に、都市部に住みながら地方にお墓を持つ方々にとって、毎年の帰省が困難になり、墓参りが難しくなっています。
私の兄弟も、お盆や正月に首都圏から必ず地元に帰省し、先祖代々のお墓参りをしています。
しかし、年々体力が衰え、移動の負担が大きくなっているように見えます。同じような悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。
2 墓じまいの現状 ~厚生労働省の統計から~
厚生労働省の統計(衛星行政報告例)によると、令和4年度の墓じまい件数は全国で15万件を超え、過去最多となっています。
この背景には、少子高齢化、核家族化に加え、コロナ禍で墓参りがしにくい状況や、従来の石のお墓ではなく、樹木葬や海洋散骨といった新しい供養の選択肢が増えたことがあります。
3 墓じまいの増加と多様化する供養の形
コロナ禍以降、都市部・地方に関わらず、宗教的な関心が薄れている傾向にあります。
お墓を継ぐ人がいない、維持費の負担が大きい、といった理由から、今あるお墓を撤去し、永代供養墓や樹木葬、海洋散骨を選ぶ人が増えています。
4 墓じまいの問題点 ~寺院とのトラブルも~
墓じまいをする上で問題となるのが、今あるお墓をどのように撤去するか、改葬するかという点です。
特にお墓が寺院の敷地内にある場合、離檀手続きや高額なお布施代を巡って、寺院とのトラブルが発生するケースも多々あるのが現状です。
5 墓じまいの費用
墓じまいの費用は、墓地の種類や規模、石材店の料金体系、改葬先の供養方法などによって大きく異なります。
一般的な目安としては、以下のようになります。
(1) 墓石の撤去・処分費用:
20万円~50万円程度(墓地の場所、広さ、石材の種類によって変動)
(2) 離檀料:
寺院によって異なり、3万円~10万円程度
(3) 改葬手続き費用(行政書士に依頼):
15万円~20万円程度(行政手続きや書類作成費用、関係者の調整など)
(4) 改葬先の費用:
永代供養墓、樹木葬、海洋散骨など、依頼する事業者によって金額が変わります。
(事前にネットなどで要確認)
※これ以外にも、費用がかかる場合があります。
6 墓じまいの手続きの流れ
墓じまいには、様々な手続きが必要となります。
(1) 親族との話し合い:
墓じまいについて、親族間で十分に話し合い、同意を得る。
(2) 寺院との交渉:
寺院に墓じまいの意向を伝え、離檀や閉眼供養など確認する。
(3) 石材店との契約:
墓石の撤去・処分について、石材店と契約する。
(4) 行政手続き:
改葬許可証の取得など、行政手続きを行う。
(5) 墓石の撤去:
石材店に墓石を撤去(遺骨の取り出し)してもらう。
(6) 改葬(引越し):
新しい供養先に遺骨を納める。
7 専門家への相談で安心を ~行政書士のサポート~
墓じまいは、法的な手続きや寺院との交渉など、複雑な手続きが必要です。
そこで、専門家である行政書士に相談することで、スムーズな墓じまいを進めることができます。
当事務所では、墓じまいに関する相談を承っております。お気軽にご連絡ください。
8 まとめ ~故郷を大切にする気持ちを未来へ~
墓じまいは、決してご先祖様をないがしろにするものではありません。
むしろ、時代の変化に合わせて供養の形を変え、未来へと繋ぐための選択と言えるでしょう。
当事務所では、お客様の気持ちに寄り添い、最善の解決策をご提案いたします。
この記事を読んで、少しでも墓じまいについて考えるきっかけになれば幸いです。
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