2026年(令和8年)の法律などの改正

2026年(令和8年)の、主な法律などの改正について、まとめてみました。

1 下請法等改正(中小受託取引適正化法・受託中小企業振興法)【2026年1月1日施行】

・従来の「下請法」と「下請振興法」が抜本的に改正され、名称もそれぞれ「中小受託取引適正化法」および「受託中小企業振興法」へと変更されます。
・これに伴い、「親事業者」は「委託事業者」へ、「下請事業者」は「中小受託事業者」へと呼称が変わり、主従関係のイメージを払拭します。
・取引の適正化に加え、コスト上昇分の価格転嫁を強力に推進するための法的基盤が強化されます。

2 労働安全衛生法改正 【2026年1月1日・4月1日・10月1日施行】

・化学物質の自律的な管理における規制が強化され、特定の化学物質を扱う事業者に対する専門講習の受講や、健康診断の実施義務が段階的に施行されます。
・また、個人事業主を含む「一人親方」等の安全衛生対策も強化され、事業者は雇用関係のない作業者に対しても一定の保護措置を講じることが求められるようになります。

3 道路交通法改正 【2026年4月1日施行】

・自転車の交通違反に対する反則金制度(いわゆる青切符)が本格導入され、信号無視や一時不停止などの危険行為に対する取り締まりが厳格化されます。
・また、ペダル付き原動機付自転車(モペット等)の区分明確化や、自動運転レベル4の実用化に向けた新たな交通ルールの整備が含まれ、交通安全のあり方が大きく変わります。

4 信託業法改正 【2026年4月1日施行】

・デジタル社会の進展に合わせ、暗号資産(仮想通貨)やデジタル証券などを信託財産として取り扱う際のルールが明確化され、投資家保護の仕組みが強化されます。
・同時に、事業承継や資産承継における信託活用のハードルを下げるための規制緩和も行われ、より柔軟な資産管理・承継が可能になることが期待されます。

5 女性活躍推進法改正 【2026年4月1日等施行】

男女間の賃金格差の公表義務や、女性活躍に関する行動計画の策定義務の対象企業が拡大される見込みです(例:従業員300人超から100人超へ拡大など)。
・中小企業においても、女性管理職の登用や働きやすい環境整備がより一層求められるようになり、企業情報の透明性が採用活動にも大きく影響することになります。

6 年金制度改正法 【2026年4月1日・10月1日施行】

・パート・アルバイト等の短時間労働者に対する厚生年金の適用範囲が拡大され、従業員数要件が引き下げられる(例:50人以下企業への適用拡大)ことで「106万円の壁」の撤廃が進みます。
・働く側にとっては将来の年金受給額が増えるメリットがある一方、企業側には社会保険料負担の増加と事務手続きの対応が求められます。

7 民法改正 【2026年4月1日施行】

・家族法制の大きな見直しとして、離婚後の「共同親権」導入に関連する規定が施行されます。
・父母双方が親権を持つことが可能になることで、養育費の支払いや面会交流の取り決めに関するルールも変更され、離婚に際して作成すべき合意書や公正証書の内容に多大な影響を与えることになります。

8 民事訴訟法改正 【2026年5月までに施行】

・民事訴訟手続の全面IT化(mintsなど)が本格稼働し、訴状の提出から期日の管理までがオンラインで完結するようになります。
・これにより裁判の迅速化が図られる一方で、弁護士や司法書士だけでなく、本人訴訟を行う個人や支援する専門家にも、デジタル手続きへの習熟と対応が必須となります。

9 薬機法等改正 【2026年5月1日施行】

・パンデミック等の緊急時に医薬品を迅速に承認するための「緊急承認制度」の運用改善や、電子処方箋の普及に対応した医薬品販売ルールの見直しが行われます。
・また、ドラッグストアや薬局における医薬品の適正販売・管理体制の強化が図られ、地域医療における薬剤師や登録販売者の役割が再定義されます。

10 保険業法改正 【2026年6月までに施行】

・顧客本位の業務運営を徹底させるため、保険代理店に対する指導・監督指針が強化され、手数料開示や無理な勧誘の禁止などが厳格化されます。
・また、大規模災害や経済変動に備えるための保険会社の健全性基準(ソルベンシー・マージン比率等)の見直しも行われ、経営基盤の安定化が図られます。

11 資金決済法改正 【2026年6月までに施行】

・ステーブルコイン(法定通貨連動型仮想通貨)や電子マネーによる高額送金の規制が強化され、マネーロンダリング対策(AML)の水準が引き上げられます。
・新たな決済手段を提供する事業者に対する登録要件やモニタリング義務が厳しくなり、フィンテック企業の参入とコンプライアンス遵守のバランスが問われることになります。

12 障害者雇用促進法施行令改正 【2026年7月1日施行】

・民間企業の法定雇用率が段階的に引き上げられ(例:2.5%から2.7%へ)、企業には障害者のさらなる雇用拡大が義務付けられます。
・単に数を合わせるだけでなく、短時間労働の活用や職場定着への支援、合理的配慮の提供など、障害特性に応じた柔軟な働き方を認める環境整備が急務となります。

13 サイバー対処能力強化法 【2026年11月までに施行】

・国家レベルでのサイバー攻撃に対処するため、重要インフラ事業者と国が連携して防御を行う「能動的サイバー防御」の法的枠組みが整備されます。
・民間企業においても、通信の秘密に配慮しつつサイバー攻撃の予兆を検知・共有する体制づくりが求められ、セキュリティ対策が経営の最重要課題の一つとなります。

14 公益通報者保護法改正 【2026年中に施行】

・内部通報制度の導入義務(現在は従業員300人超)が中小企業にも拡大される可能性や、通報者への不利益取り扱いに対する罰則の強化が盛り込まれる見通しです。
・企業には通報窓口の設置だけでなく、通報後の調査・是正措置の実効性が厳しく問われるようになり、コンプライアンス経営の質が試されます。

15 労働施策総合推進法改正 【2026年中に施行】

・いわゆる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」対策の義務化や、従業員の「リスキリング(学び直し)」支援の強化が焦点となります。
・企業は顧客からの著しい迷惑行為から従業員を守る体制整備を義務付けられるとともに、労働移動を円滑にするためのキャリア形成支援が強く求められるようになります。

16 早期事業再生法(仮称・新法) 【2026年中に施行】

・過剰債務に苦しむ中小企業が、破産や民事再生に至る前の早い段階で事業を立て直せるよう、簡易な手続きで債務減免や返済猶予を受けられる新たな法的枠組みが創設されます。
・私的整理と法的整理の中間に位置する制度として、地方の雇用とサプライチェーンを守るための切り札として期待されています。

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